Q.乾椎茸の効能は?
A.椎茸には他の動植物にない成分が含まれ、薬効や生理作用を持つものもあります。
ビタミン
ビタミンD・・ビタミンDは腸からカルシウムの吸収、骨へのカルシウム吸着など体内でのカルシウム代謝に大きな役割を果たしています。ビタミンDはプロビタミンDと呼ばれる物質が紫外線照射を受けることで生成される栄養素で、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)とビタミンD3(コレカルシフェロール)の2種類の総称です。ビタミンDはきのこ類をはじめとして魚類・卵類などの限られた食品のみに含まれています。特に椎茸は紫外線照射でビタミンDの素になるエルゴステロールという成分が豊富に含まれています。
ビタミンB1・・ビタミンB1は糖質や分岐鎖アミノ酸の代謝に不可欠な成分で、乾椎茸(0.5mg)・ヒラタケ(0.4mg)ふ多く含まれます。エネルギー源には炭水化物や脂肪が主に利用され、これらの栄養素がエネルギー代謝と呼ばれる過程を経てエネルギーが生産されます。エネルギー代謝として代表的な回路としてTCA回路があげられます。このTCA回路が回転することによってエネルギーが生産されますが、回転の過程でビタミンB1を必要とする箇所があり、不足するとエネルギー生産が滞り肥満の原因にもなります。
ビタミンB2・・ビタミンB2は栄養素の代謝に関わりを持ち魚類・卵類・きのこ類に多く含まれ乾椎茸には1.4mgも含まれています。人間の細胞は絶えず呼吸をしておりこの働きを助けているのがビタミンB2です。さらに細胞の再生のも力を貸しており皮膚や粘膜の健康を維持するために大切な栄養素です。その他にも老化の原因の1つである過酸化脂肪の生成を防ぎコレステロールや中性脂肪を減らしたり、視力を増進させ、目の疲労を軽減する役割もあります
コレステロール・血圧の降下作用
乾椎茸などの椎茸を食べることによって、コレステロールや血圧を下げる効果があるといわれています。これは乾椎茸に含まれるエンタデニンという食物繊維の働きと考えられています。エンタデニンには脂質の代謝を促して血中コレステロールを低下させる作用があり、また血圧を正常化し腎機能障害をやわらげる働きがあります。エンタデニンは水溶性成分で加熱したり、乾燥しても失われることはありません。乾椎茸を戻すと戻し汁に溶け出すため戻し汁も有効に使用した方がいいです。
抗腫瘍効果
きのこ類の熱水抽出物を動物実験でがん細胞に注射して効くという報告があります。野生ではかわらたけ・栽培の椎茸・ひらたけ・なめこ・えのきだけなどに強い抗ガン活性が見られます。特にきのこの食物繊維に含まれるβーグルカンには免疫力を高め、抗腫瘍性、感染予防などの効果が指摘され研究が進められています。中でも椎茸に含まれるレンチナンという成分はリンパ球やナチュラルキラー細胞(NK細胞)などの活性力を高める働きをするとともに、がんなどの悪性腫瘍の発育を阻止する作用が証明されています。
ダイエット効果
乾椎茸にはダイエット効果があるといわれています。乾椎茸には食物繊維が多く含まれており、この食物繊維が腸の中で有効な細菌を増やすとともにコレステロールや発がん物質を吸収して体外への排出を早めるなどがんや成人病の予防に効果があるといわれています。